【自分で修理】ホンダ小型除雪機HSS760nクロスオーガ消耗品交換のやり方
こんにちは。HONDA除雪機オーナー歴10年のK☆太(@makiriri_com)です。
除雪機はクルマと同じで消耗品があり定期的に点検し交換していかなければならない。
シーズン真っ只中で故障して動かなくなったらたいへんでしょ!?
ただ販売店に依頼すると結構な金額になる。
じつは主要交換部品の交換作業は少々面倒ではあるが難しくはない。
そこで本稿ではホンダ小型除雪機HSS760nクロスオーガを例にオイル、バッテリー、スパークプラグ、Vベルトの4つの交換作業を解説していく。
HSS760n系は手順が同じだし他のモデルも基本は同じなので参考にしてほしい。
ハウツー動画では触れられていない部分も掘り下げてはじめての人にもわかりやすく解説していくぞ。
それでは張り切っていってみよう!
シーズンごとの定期点検整備は大事
定期点検整備は毎年シーズン前におこなうのが理想だが自分でできない場合は2年に1回以上のサイクルで販売店に依頼しよう。
- エンジンオイル点検
- オーガミッションオイル点検
- HSTオイル点検
- キャブレーター点検
- ワイヤー点検
- スパークプラグ点検
- Vベルト点検
- 各部増し締め
- バッテリー充電
- シューター塗装など
本稿ではこの中から自分で交換できる4つの部品について交換方法を解説していく。
使いずらさはあるが付属の純正工具でできてしまうぞ。
純正部品はYahooショッピングのHTSショップで購入することができる↓
エンジンオイル交換
エンジンオイル交換は廃油処理さえできれば自分でも簡単に交換することができる。
最低でも2年に1回の頻度でおこなおう。
オイルの量が少ないのでエーモンのポイパック(2.5L)が便利。可燃ゴミとして捨てられる。
これほんとおすすめ↓
1.ドレーンボルトをはずしてオイルを抜く
廃オイルを廃油処理剤に誘導するガイドがあるとクローラを汚さなくてすむ。俺氏はサランラップの芯をカットして使っている。
2.ドレーンパッキンを新しいものに替えてドレーンボルトを締める
パッキンには新しいオイルを塗ろう。
3.オイルジョッキでオイルを入れる
オイルは0.6L入る。
一気に入れるとあふれるので慎重に。
4.レベルゲージで量を確認する
5.エンジンを始動してアイドリングしたのちにレベルゲージで再確認する
適量であれば作業完了!
裏技として右側のクローラの下にブロック等を踏ませて車体を傾けるとオイルがしっかり抜けるし新しいオイルも入りやすくなる。
バッテリー交換
バッテリーの交換に関してはシーズンオフで端子をはずすので周知のこととは思うが一応おさらいしておく。
純正バッテリーはGSユアサYB18L-A
ユアサは高品質なだけに高額だ。じつは他社製品でも問題ない↓
充電器があると長く使える。
それでは交換していこう。
1.カバーの取りはずし
まずは蝶ナットをはずす。
蝶ナットは錆びやすいのでステンレス製に交換した。サイズはM6でエアクリーナーケースと共通なのでまとめて換えてしまうのがおすすめだ。
カバーは前方に引き出すと挟めてある部分がはずれてフリーになる。
2.バッテリー交換
端子は必ずマイナス端子からはずしていく。付属工具の10mmを使用。
赤丸で示した固定用ゴムバンドをはずす。
バッテリーに接続されているゴムホースをはずすとバッテリーがフリーになる。
取り付けるときは必ずプラス端子から。
3.カバーもとに戻す
カバーを戻してエンジンを始動できれば完了だ。
スパークプラグの交換
冬の除雪でしかエンジンを始動しないので毎日乗るクルマのプラグよりも断然長持ちする。
だが除雪機は当然ながら低温での使用が主でありガソリンが気化しずらいためプラグがかぶりやすい。
対処法はガソリンは揮発するので時間を空けるだけで良い。2ストエンジンのプラグかぶりと違いオイルが混ざっていないのでライターで炙るのはNGである。
メンテナンスをするとすればウエスで黒いすすを拭く程度でよい。ブラシで擦るのは電極を痛めてしまうのでNGだ。
我が家は念のため10年目でNGKのイリジウムMAX(型番:BPR5EIX-P)に交換した(純正はBPR5ES)
同社のイリジウムIXプラグの性能をそのままにロングライフを実現した高性能プラグだ。カッコいい!
それでは交換手順を解説する。
1.プラグコードをはずす
引っ張るとはずれる。
2.付属工具にあるプラグレンチでプラグをはずす
マグネットではなくゴムのタイプだ。
10年間ノーメンテのプラグがこちら↓
外気に晒されるところは錆が酷い。端子はススだらけだったが電極の状態は悪くなかった。
3.新しいプラグを取り付ける
トルクレンチがない場合は手で回らなくなってから1/2回転増し締め。一度はずしてまた付ける場合は再締め付けは1/12回転。
※プラグの径によって異なるのでメーカーのHPで確認しよう
4.プラグコードを取り付ける
プラグコードを取り付けて作業完了。
エンジン音や燃費に関しては正直わからないがエンジンの始動に関しては感動的に体感できる。
たった1本だし長持ちするので性能の良いものを奮発してみてはいかがだろうか。
Vベルト交換
走行用のVベルトとオーガ用のVベルトの交換は5年に1回が推奨されている(大きな声ではいえないが10年使ってしまった)
手間がかかる作業なので販売店に依頼すると工賃も高い。ただ難しくはないので順を追って解説していく。
HSS760n系は交換手順が同じだがクロスオーガのオーガ用Vベルトは型番が異なるので注意しよう。
クロスオーガは走行用VベルトがSA-27、オーガ用VベルトがLB-33となっている。
構造的には10mmと12mmの付属工具とマイナスドライバーがあれば交換可能。
オーガハウジングの下にブルーシートやダンボールを敷いてとくと作業しやすいのでおすすめだ。
1.カバーをはずす
左右2ヶ所計4本のボルトとライトステーのボルトをはずす。
ライトのカプラーをはずしカバーの裏からワイヤーガイドのクリップをはずすと完全にカバーがフリーとなる。
カバーをはずすとVベルトが露出する。
ベルトはたるんでいる状態で正解なので心配いらない。
しかしまだこの段階ではVベルトをはずすことはできない。つづいて本体からオーガを切り離していく。
2.本体とオーガハウジングを固定しているボルトを露出する
まずはワイヤーホルダーにあるバンドをはずす。
画像のようにマイナスドライバーでロックを解除するとはずすことができる。あきらめて切らないように。
右側のワイヤーホルダーはボルトをはずして逃し左側のカバーは取りはずす。
これで本体とオーガハウジングを固定しているボルトがすべて露出する。
4.本体フレームとオーガハウジングを分離する
本体フレームとオーガハウジングを固定している計10本のボルトをはずしていく。
とくに右側の中央のボルトが狭くてやりずらい。
付属するメガネレンチでは短くて力がかからないが一般的な45°のメガネは入らないしストレートだと他に当たる。
そこで俺氏はKTCのカタメカタクチ12mmを購入した。
17cmあるので力もかけやすい。
高額だがラチェットのコンビネーションだともっと作業効率が上がるぞ。
ボルトをすべてはずしたらオーガハウジングを前方に引き出すと分離する。
5.オーガ側のベルトストッパーを緩めてオーガベルトをはずす
ボルトを緩めるとストッパーも緩みオーガベルトをはずせるようになる。
ベルトの厚みはまだ使える範囲だったが裏返すと2ヵ所切れ目が入っていた。危なかった。
6.走行側のベルトストッパーを緩め走行ベルトをはずす
下側のベルトストッパーを緩める。これで走行ベルトもはずせるようになる。
こちらもまだ使える厚みだったが裏返してみると今にも切れそうな状態だった!
ハイシーズンに切れなくて良かったよ。
7.新しいVベルトを取り付けてベルトストッパーを締める
はすしたときと逆の手順で新しいVベルトを取り付ける。
8.オーガハウジングを本体フレームに接続する
矢印で示したブレーキが干渉するので長い棒で外側に押しながらオーガハウジングを寄せる。誰かに手伝ってもらうとやりやすい。
1人だとボルトと穴を合わせるのにも苦労する。この交換作業の大半の時間はこの10本のボルトたちに費やされた。
本体とオーガハウジングを組んだらオーガ用Vベルトを本体側のプーリーにかける。
9.ワイヤーホルダーを戻し試運転する
ベルトの鳴きや動作に問題がなければ残りのカバーを戻し作業終了!
自分でやればかなりの節約になる
以上、ホンダ小型除雪機HSS760nクロスオーガを例に消耗品の交換方法について解説しました。
どれも手間はかかるが難しくはない。慣れるとはやくなる。
交換作業のほとんどが付属の純正工具でできてしまうのって何気に凄いよね。
毎年シーズン前に自分で点検して必要に応じてこれらの部品交換をおこなえばシーズン中に故障することもないし末長く使うことができる。
自分でやると節約になるし愛着もわくので君も自分でチャレンジしてみよう!
除雪機が古くなって買い換えようと思っている人は愛機HSS760n(JX1)クロスオーガのレビュー記事も読んでみてね↓