【ガンプラ】HGUC MSK-008 ディジェ制作記「ツインアイver.」
こんにちは。幼少のころからガンプラを作っているK☆太(@makiriri_com)です。
俺氏はいかに楽してカッコよく作るかを探求する軟弱者モデラー。今回もキットの魅力とあわせて手軽にカッコよく仕上げるテクニックも紹介していくぞ。
完成まで手順をおって解説していくのでガンプラビギナーに参考にしてもらえると幸いだ。
今回は『機動戦士Zガンダム』に登場したアムロ・レイの乗機MSM-008 ディジェを制作したぞ。
制作テーマは「ツインアイ化」
頭部を中心にプチ改造していくのでお楽しみに。
HGUC ディジェを積んでいる人が積みを崩すきっかけになればよいなと思う。
それでは張り切っていってみよう!
HGUC 1/144 MSM-008 ディジェ
【MSK-008 DIJEH】
全高:23.0m
本体重量:33.9t
全備重量:51.8t
出力:1892kw
装甲材質:ガンダリウム合金
開発:カラバ説明書より
ディジェは『機動戦士Zガンダム』にアムロ・レイの乗機として登場。
カラバ・プロトタイプ・モビルスーツと書いてあるとおり反連邦組織カラバがエウーゴから提供されたリック・ディアスをもとに開発した陸戦用モビルスーツである。
『機動戦士ガンダム U.C.ENGAGE』ではルオ商会とアナハイム・エレクトロニクス社キャリフォルニアベース支部の協力のもとで開発されたという設定が加えられた。
AE社のティナによるともともとはγ・ガンダムとして開発していたとのこと。
ティナ
「エゥーゴやカラバに同調したいジオン残党の思いがあるのですよ?
アムロ大尉が乗る予定で開発されたディジェがガンダムの外観では心理的な影響が小さくありません。
彼がジオンシルエットのリック・ディアスに乗って戦う姿は、ジオン残党と括られてしまう人たちがスペースノイドとして一つになりやすいキッカケだったのです。」
機動戦士ガンダム U.C.ENGAGEより
ちなみに『機動戦士Ζガンダム デイアフタートゥモロー -カイ・シデンのレポートより-』によるとジオン系の頭部に変更するよう指示したのはカイ・シデンである。
外観やビーム・ナギナタがゲルググに似ているがもとになったリック・ディアスがガザCのブロック構造の発展型を採用しているのでご先祖はガザCとなる。旧ジオンの技術者が関わっているのでゲルググっぽくなったがゲルググとは別系譜なのだ。
ガンダムナラティブではルオ商会がマーサ・ビスト・カーバイン奪還作戦で使用しヨナ・バシュタも搭乗した。プレミアムバンダイからHGUCでキット化されている。
ムーンガンダムではアムロの乗機としてリック・ディジェ、リック・ディジェ改が登場。めっちゃカッコいいのではやくプラモを出してほしい。
ちなみに『機動戦士ガンダムMSV-Rジョニー・ライデンの帰還』ではシャア専用ディジェが登場する。
ディジェは子どものころから大好きでZガンダム放映当時から作りたかったプラモデルの中の1つである。
本当は1/100のRE100版が欲しかったが手に入りにくかった。だがHGUC版も高評価だったので挑戦してみることにしたのだった。
キット構成
2018年に発売された比較的新しいフォーマットのキット。
説明書↓
ランナーはエメラルドグリーン・ネイビー・グレイ・ダークグレイ・イエロー・レッド・クリアーイエローの7色
加えてポリキャップが1色、TPEが1色、ホイルシールが1枚付属する。
ちなみにプレバンから発売されているナラティブver.はエメラルドグリーンがグレーになりビームライフルと左肩のサーチライト、ホイルシールが新規造形となっている。
超時短ゲート処理
それでは制作にとりかかる。
俺氏はニッパーで切り出してからデザインナイフでゲート処理する派。
しかし気を付けて二度切りしてもゲート跡が白化してしまうことがあるよね。
そんなときは白化した部分を爪で擦ると結構消えるので試してみてほしい。
ペーパーも道具も使わない超時短ゲート処理である。
各段に制作スピードが上がるのでおすすめだ。
ちなみに俺氏は毛蟹の身は全部捌いてからまとめてミソと和えて食べる派。
プラモもある程度切り出しとゲート処理を済ませてからまとめて組み立てる派である。
ZやZZの時代によく見られるデザインだ。ここだけみると連邦っぽいがイエローのダクトはハイザックやバウという例もある。
素組み完了。
もうすでにカッコいい!
プチ改造
それではアムロの愛機に俺氏オリジナルのエッセンスを加えてプチ改造していく。
アンテナの角度変更
ブレードアンテナをユニコーンっぽく少し前方に傾けた。
アンテナ側を少し削って接着するだけなのて簡単に角度調整することができるぞ。
モノアイをツインアイに改造
今回の制作テーマは「ツインアイ化」
なんとこのキットには『機動戦士Ζガンダム デイアフタートゥモロー -カイ・シデンのレポートより-』であきらかになったツインカメラ用ソケットが造形されているのだ!
ここに以前アッガイでも使用したH・アイズのレッドのツインアイを貼り付けるというプラン。
ツインアイのクリアパーツの裏に100均のアルミテープを貼る。
めちゃくちゃ小さくて苦労した。そろそろ老眼鏡が必要だ。
そして十文字のモノアイを削っておいたパーツに瞬着で接着する。
ジャーン!!
おぉ、イメージどおりでカッコいい!
段落ちモールドに挑戦
少しでも合わせ目消しの箇所を減らすためにはじめて段落ちモールドに挑戦してみた。
対象は腕のパーツ。
両パーツのエッジをデザインナイフでかんながけしてモールドにしてしまう。
すみ入れしてしまえばモールドと区別がつかない。
今までは目立たない部分の合わせ目消しはスルーしていたが段落ちモールドがとても簡単だったのでこれからは積極的にやっていこうと思う。
合わせ目消し
合わせ目消しは乾くのに時間がかかるので先に接着しておき乾くまで他の工程を進めるとよい。
まずは定番の武器。
タミヤリモネンセメントを使用。シンナー臭さがないので家族がいるならおすすめだ。タミヤの白蓋よりも乾くまでに時間がかかるが接着力はつよい。
パーツ両方にうっすらセメントを塗る。
あらかじめボッチを切り取っておくとパーツをピッタリ合わせやすい。
セメントがグニュっとハミデントするまでパーツを圧着してクランプ等でしっかり挟んで押さえる。
乾燥したらサンドペーパーで削る。
600番→800番→1000番でかけた。
ツルンとして気持ちいい♪
クレイバズーカも。
見た目が汚いけど脱脂洗浄して塗装するからよし。
ふくらはぎ上部は構造的に合わせ目消しがしづらいのでスルーしようか迷ったが流し込みでやった。
ボッチを切り取れず組み立てながらなので密着が弱くヒケてしまい線が残ってしまった。
こっそりデカールで誤魔化そうと思っていたところFM銀河の『午後の怜司』で『さつき君の趣味のお部屋』という模型コーナーをやっていた子猫のナースさん(@toraandkumaand2 )から「タミヤセメントは透明樹脂が含まれてるから後乗せでも大丈夫」というアドバイスをもらったので後乗せで再度チャレンジ。
するとツルンとスベスベに!
プラスチックを溶かすということばかりにとらわれて盲点だった。子猫のナースさんありがとうございます!
メラミンスポンジで表面処理と脱脂洗浄
塗装前の表面処理をおこなう。
中性洗剤を使いメラミンスポンジで洗浄する。
脱脂とわずかではあるがテカリ消しが同時にできる。
サフを吹いて全塗装するわけではなくトップコートの下処理なのでこれだけで大丈夫なのだ。
ガンダムマーカーエアブラシシステムで部分塗装
HGUC ディジェは部分塗装が必要ないほど色分けされている秀逸なキットなのだが少々カラー変更することにした。
塗装にはガンダムマーカーエアブラシシステムを使用。
塗装するパーツは1000番のペーパーで表面処理した。
ビーム・ライフル、クレイ・バズーカ、スカート内のバーニア→ガンダムマーカーEXヘビーガンメタリック
このキット唯一といってよい部分塗装箇所であるビームライフルのパイプのイエローはあえて塗り分けずリック・ディジェやリック・ディジェ改と同様にガンメタ1色とする。
そして右肩ラウンドシールド、腹部の赤いパーツ→ガンダムマーカーEXガンダムグレー
腹部の赤いパーツが野暮ったく感じていたのでリック・ディジェやリック・ディジェ改と同様に、そして右肩のシールドはせっかく色分けされているのにコントラストが悪いのが残念だったのでナラティブver.のようにライトグレーに色変えしてみる。
ガンダムマーカーエアブラシシステムは手軽でよい。ただインク出しが少々面倒だ。
ムラのないキレイな仕上がり♪
ガンダムマーカーでスミ入れ
スミ入れはガンダムマーカー流し込みスミいれふでペンのブラックを使用。
モールドにスッと流れるので初心者でも簡単にできてしまうのでおすすめだ。
はみ出た部分は乾いてから消しゴムで消すことができる。
俺氏は綿棒に薄め液をつけて拭き取っている。このほうが綿棒をめちゃくちゃ使うが早くて仕上がりもキレイ。
デカールを貼る前に一度組んでみたいがまた脱脂したくないので我慢。
デカール貼り
俺氏お楽しみのデカールを貼っていく。
ガンダムデカールでアムロのパーソナルマーク
アムロのパーソナルマークを貼りたかったのでガンダムデカール No.71 HG 1/144 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 地球連邦軍MS用を購入した。
あとは手持ちのガンダムデカール31、38からチョイスした。
水転写式デカールはマークセッターを使うと糊切れの心配がないので初心者でも失敗せずに貼ることができる。
なかなか減らないので1つ買えば長く使える。
マークセッターは必ずつかおう。↓
腹部の赤いパーツをグレーにしたかわりにアムロの赤いパーソナルマークを差し色にしてアクセントを付けた。
貼り場所はムーンガンダムに登場するリック・ディジェの設定画を参考にした。
手持ちのデカールからアナハイムのマークも。
開発にアナハイムがからんでいる設定が追加されたのでぜひとも貼りたかったのだ。
それと地球連邦の国旗などに使われているシンボルマーク。
カラバにはシンボルマークがない。子どものころアムロやハヤトが着ている黒いフライトジャケットのマークがカラバのマークだと勘違いしていたがあれは地球連邦のシンボルマークである。
あとはRE/100版ディジェの貼り場所を真似したり定番ポイントに貼った。合計43枚。
付属のホイルシールでひと工夫
グリーンの自由に使って下さい的な不自然な余白でサブセンサー部分のステッカーを自作して貼ってみた。
いつもは100均のキラキラテープを切って作っているが今回はラッキーだった。
ガンダムマーカーでウェザリング
箱絵のディジェはかなり汚れているが俺氏はあまり汚したくない派なのでウェザリングはサラッと。
ガンダムマーカーウェザリングマーカーセットを使用。
ウェザリングは塗膜保護をしたいならトップコート前、塗料の乗りのよさを求めるならトップコート後にするとよい。
俺氏はトップコート前派である。トップコート後だと修正が難しいからだ。
濃色なネイビーの部分はドライブラシをメインにおこなった。
本来ならシルバー系の塗料を筆に付け余分な塗料をキッチンペーパーで拭き取りパサパサになったな筆を擦り付けていくのだが筆に直接ガンダムマーカーを付け紙パレット(ただの折りたたんだ雑紙)で塗料の調整をしてからブラッシングする。
筆先が固まってきたらうすめ液で湿らせるとよい。
エメラルドグリーンのエッヂ部には所々バーントアイアンでチッピングし赤サビを表現。
マーカーを紙パレットに出し乾いた粉を綿棒に付けてウェザリングマスターのように使うとやりやすい。
他のエメラルドグリーンの部分はスートブラックで全体的にウォッシング。
こちらもマーカーを粉にしてから綿棒で。
いい感じだ♫
仕上げのトップコート
いよいよ仕上げのトップコートである。
クレオスの水性のプレミアムトップコートを使用。今回使用しているガンダムマーカーは水性(アルコール系)なのでラッカー系のトップコートは溶剤で滲むおそれがあるので注意が必要だ。
基本的つや消しを吹いていく。
写真は近く見えるがもう少し距離をとって吹こう。
ガンメタで塗装した武器のみ半光沢を吹いた。
クレオスのラインナップではプレミアムシリーズがキメが細かく白化しにくいので初心者におすすめ。
水性プレミアムトップコート つや消しスプレー GSIクレオス
1回で良い感じ♫
つやさえちゃんとイメージどおりに消えれば重ね吹きする必要はない。
さぁ組み立てたら完成だ!
「ディジェ ツインアイVer.」完成レビュー
制作9日目でついに完成。
それでは細部まで徹底的にレビューしていこう!
ビフォーアフター
カッコいい。自画自賛。思い描いたとおりに作ることができた♪
やっぱ手ぶらのハンドパーツはグーよりパーだなw
外観レビュー
MSK-008 ディジェ「ツインアイVer.」
胸部以外をザク・ドム・ゲルググの要素でミキシングしたようなジオンシルエットである。
頭と脚がゲルググ、アシンメトリーな肩はザク、腕と足はドムを彷彿させる。
蝶の羽のように特徴的な形状の放熱フィン
先端の突起は通信アンテナである。
蝶というよりも顔つきと色のせいでなんだか翼竜みたいだよね。魔界村のレッドアリーマーを思い出したw
そしてこちらのウェポンラックも特徴的である。
キットの特筆ポイント
ベクタード・ノズル型ジェット・スラスターのスリットがちゃんと肉抜きしてあるのが凄い。
これでドムのようにホバー走行もできる。
スカートが分割されているのにも驚いた。
おかげで可動域がかなり広がる。
バックパックもしっかり色分けされていてカッコいい。
武装レビュー
つづいて付属する武装を紹介する。
- BR-M-87ビーム・ライフル
- クレイ・バズーカ
- ビーム・ナギナタ
ハンドパーツは差し替えで左右それぞれ2タイプ。
BR-M-87は百式の専用武装だと思っていたが説明書に「更新用の生産品を流用したもの」と書いてあった。納得。
横流ししてシャアとお揃いにしたってことね。
しかしアムロはリック・ディジェ、リック・ディジェ改とこのビームライフルを使い続けたのでかなり気に入っていたと思われる。
そしてリックディアスや百式と同じタイプのクレイバズーカ。
クレイバズーカはバックパックにも取り付けられる。
そしてゲルググでおなじみのビームナギナタ!
ファミコンの『ガチャポン戦士2カプセル戦記』では接近戦最強といわれた武器であるw
そして頭部に60mmバルカン砲が2門。
バックパックから給弾されるシステム。
給弾パイプはTPEという弾力のある素材で他にも脚部に使用されている。
改造ポイントの紹介
今回はツインアイ化、ブレードアンテナの角度変更、サブセンサーにステッカー追加と頭部を中心に改造をほどこした。
腹部の赤いパーツをライトグレーにしたのもカッコよくなった。
上下を赤いデカールで挟むことでディジェを見慣れている人の脳をバグらせるのが狙いであるw
ラウンドシールドのカラーもライトグレーに変更。
地球連邦軍のデカールは一切貼らず地球連邦のマークにしたのもこだわりポイントだ(カラバのデカールを作る気力はなかった)。
ビームライフルはあえてパイプをイエローにせずガンメタ1色とデカールで渋さを演出。
塗り分けが面等だったのもあるがシンプルにここが黄色いのがあまり好きじゃなかった。
可動域チェック
比較的新しいキットなので四肢はなかなかの可動域である。
腹部のパーツが動くので腰も少し捻ることができる。
リアルに箱絵のかっこいいポーズをキメることができるぞ♫
そしてシード撃ちも。
アクションベースが連邦軍のやつなのは許してくれ。
RE100版に劣らずHGUC版もカッコいいね♫
恒例のオモ写
それでは恒例のオモ写真いってみよう!
「ガンダムです、通してください!」
「ニュータイプ見つけたらツノ割れて本気出しますから!」
EGガンダムとHGUCディジェを並べ新旧アムロ機で記念撮影。
これ見てふと思ったんだがガンダムのスカートアーマーの長さってサッカーの短パンの歴史に通ずるものがあるな。RX-78マラドーナみたいじゃんw
ちなみに今回から黒背景の撮影はnippperさんの方法を参考にさせてもらった。
完成写真はすべてiPhone SE2で撮影している。100均の黒画用紙を布に替えればもっと良くなりそうだ。
詳しい黒背景の撮影方法を知りたい人ははnippperさんのページを読んでみてね↓
長年の夢が叶った
以上、HGUC 1/144 ディジェの制作レポートでした。
制作9日と撮影1日の計10日間たっぷり楽しむことができた。
ディジェはTV放映当時から欲しかったキット。子どものころからの夢を叶えることができたしツインアイ化の仕上がりにも大満足♫
ブレードアンテナの角度変更も簡単なのでぜひチャレンジしてみてほしい。
今回は新たな試みとして段落ちモールドに挑戦してみた。カッコよくなり合わせ目消しまで少なくなるという願ったり叶ったりな手法なのでこれからも積極的に使っていきたい。みんなもやってみよう!
黒背景の撮影については引き続き研究していこうと思う。
今回も高学年の小学生ならできるような簡単なテクニックを使い制作したのでお子さんにガンプラ作りを教えるときにも役立ててもらえる幸いだ。
HGUCディジェ、HGなのにRE100にも劣らないシルエット。キットが優秀な証だね。パーツ数も多く作りごたえがあった。
可動域も広く色分けもほぼ完璧なのでビギナーにもおすすめのキットなのだ!
最後まで読んでいただきありがとうございました。