【ガンプラ制作記⑥】HGUC NZ-666クシャトリヤ「サイコフレームの共鳴」
こんにちは。幼少のころからガンプラを作っているK☆太(@makiriri_com)です。
俺氏はいかに楽してカッコよく作るかを探求する軟弱者モデラー。今回もキットの魅力とあわせて手軽にカッコよく仕上げるテクニックも紹介していくぞ。
完成まで手順をおって解説していくのでガンプラビギナーに参考にしてもらえると幸いだ。
今回は『機動戦士ガンダムUC』に登場したマリーダ・クルスの乗機NZ-666 クシャトリヤの制作レビューをおおくりする。
制作テーマは「サイコフレームの共鳴」
子どもの頃の色プラへの憧れからいつもは形成色を活かしたモデリングを志しているが今回はガンダムマーカーEXホロで色替えしていくのでお楽しみに。ガンダムマーカーの塗装面にスミいれする方法も塗料の相性と併せて解説する。
それでは張り切っていってみよう!
HGUC 1/144 NZ-666 クシャトリヤ
【NZ-666 KSHATRIYA】
全高:22.3m
本体重量:29.7t
全備重量:74.02t
出力:16540kw
装甲材質:ガンダリウム合金説明書より
クシャトリヤは『機動戦士ガンダムUC』にマリーダ・クルスの乗機として登場した第4世代モビルスーツ。
クィン・マンサを小型化するというコンセプトで開発されたので外観の共通点も多い。
連邦軍からの通称は「4枚羽根」と呼ばれている。
ちなみにクシャトリヤとは古代インドの階級で第二カースト(王族・武人層)を意味する。漢字にすると刹帝利。
フル・フロンタルのシナンジュが第一カーストだとすると合点がいく。
そして666はヨハネの黙示録に書かれてある獣の数字でもある。クシャトリヤはユニコーン、バンシィ、フェネクスに続くもう1匹の獣という位置付けなのではないだろうか。
大破から改修したリペアードもあるが見るたびに悲しくなっちゃうのでこちらのキットにした。リディお前だけは絶対に許さん。
キット構成
説明書↓
ランナーはポリキャップを除いて9色!
塗装が乗りにくいABSが結構多い。
ホイルシール1枚。袖付きのアイデンティティであるエングレービングは見るからにシワになりそうだ。
プチ改造
今回の改造箇所はモノアイのみ。
モノアイはかなり小さい。H-EYES 3ミニのピンクから2.0mmを使用。
アルミテープで裏打ちしする。
シールを貼る凸部分をデザインナイフでカット。
瞬間接着剤で張り付ける。
2.0mmはとても小さくて1つ紛失してしまったがなんとかできた。そろそろ老眼鏡が必要だ。
しっかり凸部分を削ればモノアイの可動も失われない。
合わせ目消しと後ハメ加工
目立つ合わせ目は肩、上腕、前腕、袖、膝のフレームの5カ所にでる。
塗装しやすいように上腕、前腕、袖に後ハメ加工をした。
フレームは赤のラインでカットした。
上腕は先人たちの真似をしてフレームが貫通するようにアーマーとフレーム両方のダボをカット。
前腕は自分なりに考えてフレームのみダボをカットし差し込めるようにしたオリジナル。
じつは四角で示したところがうまいことアーマーにカチッとロックする。さらに丸で示した肘のダボを少し残すことで固定力を持たせた。
袖は先人たちの手法を踏襲し丸で示したL字になっている部分をカットして差し込めるようにした。
肩はどうにも後ハメできないので段落ちモールドにしようか迷ったが合わせ目を消してからマスキングして塗装することにした。
後ハメ加工が終わったので合わせ目消しをしていく。
今回からセリアの2個セットのクランプを導入した。
ダイソーの2個セットは少し大きくてガンプラには強すぎるのだがこちらのセリアの商品は丁度よい塩梅なのだ。
ゴッドハンド神ヤス!の600番→800番→1000番で磨く。
モールドが埋まってしまったところはダイソーの精密ケガキ針で掘り直す。
なかなかの切れ味だ。
ひけてしまってもタミヤのセメントには樹脂が含まれているので後乗せでリカバリーできる。
最後に1500番で仕上げた。
良い感じにツルツル♪
メラミンスポンジで脱脂洗浄
塗装前にしっかりと脱脂洗浄しておく。
メラミンスポンジと食器用中性洗剤で表面を擦りぬるま湯で洗い流す。
パーツ数が多いので塗装するものを先に洗って残りは塗装乾燥中に洗った。
塗装するパーツ↓
塗装しないパーツ↓
洗浄後はパーツを手で扱うとき白手袋をはいている。
スミ入れ、デカール、トップコートごとに洗浄を繰り返すのは面倒くさいからだ。
ちなみなプラスチックグローブは汗ばむので好きではない。
ガンダムマーカーエアブラシシステムで塗装
塗装にはガンダムマーカーエアブラシシステムを使う。
メリットは準備と後片付けが楽。そしてコンプレッサーを使わないので音が静かなこと。
デメリットはガス缶が冷えると連続使用でないこととマーカーは残量が分からないことだ。
今回はこちらの4色使用↓
マシン・キャノン、バーニアのノズルはヘビーガンメタリックに。
脚部のダクトもガンメタリックにした。
ここだけ唯一色分けされていないが説明書ではグレーになっている。ここまで色分けが素晴らしいキットだけに惜しいポイントだ。
イエローは細かなパーツが多いのでランナー塗装でガンダムゴールドにした。
メガ粒子砲はハメるとうまいことゲートが隠れる。パイプは露出する部分のゲートのみ処理すればOKだ。
塗装しやすいように邪魔になるランナーもカットしておこう。
エングレービングはラッカー系のホワイトで塗装してからエナメルのブラックを重ねてエングレービングの部分だけ拭き取る方法が主流。ただ立体的なエングレービングを完全に拭き取るのは難易度が高い。
今回はマスキングして塗装してからニューホワイトを吹くことにした。
細かいのでマスキングの精度には限界がある。
ふちは爪楊枝で削って整えた。
薄め液だと取れ過ぎてしまうのだ。禿げてしまった部分はマーカー本体でタッチアップ。
全体的にムラにならないようプックリ乗せるように厚塗りすると立体感がでた。
溝はスミ入れで対応。
かなり手間がかかったがシールより10000倍見栄えが良い♪
そして今回の目玉。ライトグリーンのパーツをすべてサイコフレームホログリーンで塗装した。ちなみにクシャトリヤの通常サイコフレーム色は紫である。
24個あるファンネルもランナー塗装にした。可能な限りランナーを排除すると塗装しやすい。
サイコフレームホログリーンは曲面の色の変化が超絶美しかった!
ガンダムカラーでいうとUG06 MSグリーンとの色替えに抜群のマッチング。光が当たらないと分からないくらいだ。
サイコミュ搭載機だとクインマンサ、ヤクトドーガ、エルメスに使っても良さそう。
メタル系なので隠蔽力も高い。
ただ他のメタル系マーカーよりも伸びが悪く消費がはやい。何度もマーカーを振ってペン先カチカチを繰り返すのは正直ストレスだった。
結局3本も使ったのでコスパは非常に悪い。
ガンダムマーカースミ入れペンは油性と水性を使い分ける
まずはじめにガンダムマーカースミいれペンには水性と油性の2種類がある。
同じガンダムマーカーシリーズ内でもアルコール性、水性、油性があり相性もあるので注意が必要だ。
アルコール系のガンダムマーカーは手軽に使えるのが最大のメリットだが独自の性質がありラッカー系、アクリル系、油性と相性が悪い。相性が良いのは水性かエナメルである。
アルコール性ガンダムマーカーで塗装した上から油性ガンダムマーカーの流し込みタイプすみ入れペンを使うと当然のごとく滲む。油性は素組み専用なのだ。
ただエナメルのスミ入れ塗料はプラスチックを侵食するので素組みではNGとなる。
ガンダムマーカーシリーズで完結したいなら水性ふきとりタイプのスミいれふでペンが万能だ。ただ流し込みタイプに比べると圧倒的に効率が悪い。
そこで今回はガンダムマーカーシリーズから離れて定番のタミヤ エナメル スミ入れ塗料を使った。
極細の筆付きでとっても使いやすい。
スッと流れるのでペン先が届かないダクトなども楽々だ。
未塗装の部分は今までどおりガンダムマーカー流し込みスミいれペン(ブラック)を使用。
タミヤのエナメルに比べると流動性は劣るが筆ペンタイプより断然作業が捗る。
モールドにスッと入っていかなくなったらペン先をカチカチしよう。
デカール
付属のホイルシールは脚部のスリットのみ使用。
ピッタリフィットするので塗装より断然良い。
そしてどうしても袖付きのネオジオンマークを貼りたかったのでガンダムデカール107機動戦士ガンダムUC汎用①を購入。
今回もMr.マークセッターを使用。
毎回いうが絶対に使ったほうが良い。
成分が沈澱しているので使用前に必ず瓶をよく振って撹拌しよう。
計46枚貼った。もっと貼りたかったが手持ちで良さそうなのが尽きてしまった。
バインダーは大きいので1/144用よりも1/100用のほうが良かったな。参考まで。
トップコート
先ほど塗料の相性のはなしをしたがトップコートとの相性も考えなければならない。
なんとアルコール性のガンダムマーカーは水性トップコートでも塗膜が溶けてしまうのだ。もうなんでだよプンスカ。
つや消しの場合は砂吹きで少しずつデリケートに吹けばなんとかなるが光沢の場合は難易度が高いとされている。
なのでトップコートはガンダムマーカークリアー光沢を使用。
完全水溶性でどのガンダムマーカーの上からでも安心して使える。すべての塗料との相性が良い最強のトップコートといえよう。
デメリットは溶剤を使っていないので塗幕が弱いことだ。
それとペンの出が悪くて何度もペン先をカチカチ押すのにストレスを感じた。
使った2本ともそうだったのだが1体分拭くとなるとかなり時間がかかってしまうので未塗装の部分は缶スプレーにして使い分けるのが良い。
ちなみにABS素材はこのままでは塗料が乗らないのでトップコートはしないことにした。もともとツヤツヤしてるから良し。
恒例のオモ写
それでは恒例のオモ写いってみよう!
「クシャトリヤSE(セコンドエディション)」
不死鳥狩り事件後ビスト財団の力によってアナハイムで極秘に新造された2機目のクシャトリヤ。
リタのフェネクスのようにマリーダ・クルスの残留思念の拠り所となればとの願いで宇宙空間に放たれたもう1体の可能性の獣。
マリーダ・クルスの残留思念が宿ったとき機体がサイコフレームの暖かい光に包まれるという。
ガランシェールJrが危機に陥ったとき宇宙の彼方から現れる。めっちゃ強い。
完成レビュー
それでは詳しく完成レビューしていこう。
体の大きさに対して頭が超絶小さい次藤洋体型(キャプテン翼)だがHGUCとは思えないくらいプロポーションが抜群に良いモデルだ。
カラーリングは思い描いていたイメージどおりにできて大満足である。
可動域は結構ある。
ただし肩関節の可動域には注意が必要だ!
点線まで展開してしまうとカチッとロックしてしまいはずれなくなってしまうのだ。
戻すときに負荷がかかってしまいABSパーツが裂けてしまった。
幸いABS用接着剤でカバーごと接着することによって補修することができて一安心。
今回の改造箇所はモノアイのみ。
キラリと光って良い感じだ。
合わせ目消しと後ハメもうまくいった。
パイピング類のゴールドがホログリーンと違和感なくマッチした。
スラスターの塗分けもバッチリだ。
エングレービング塗装は近くで見ると粗さが目立つ。二度と近くで見ない。
バインダーとサブアーム。
残念ながらビームサーベルを持たせることはできない。
バインダー部のメガ粒子砲は2×4の計8門。
バインダー裏側にサブアームとファンネル6機が格納されている。メカメカしくてカッコいいポイントだ。
バインダーは角度を変えて固定できるギミックが実装されていて様々な表情を付けることができる。
バインダーとは別の武装は胸部メガ粒子砲4門とマシン・キャノン2門。
そしてビーム・サーベルが2本。
ただし格納するところはない。
デカールの拘りポイントはマリーダさんの好物であるアイスクリーム。
タクヤのアイディアという設定。
100均をハシゴしてイメージにあったアイスクリームのシールを見つけるのにかなり苦労した。666は手持ちのデカールでは3枚揃わなかったのであえて色を変えてみた。
IF設定の説得力を上げるためにアナハイムのマークも貼ってある。
お酒を飲みながらずっと眺めていられるほど大満足の仕上がりとなった♪
マリーダさんの再登場を切に願う
以上、サイコフレーム共鳴カラーのHGUCクシャトリヤ制作記をおおくりしました。
どうしてもまたマリーダさんに会いたくて厨二病全開のIF設定機体を作ってしまった。頼む現実になってくれ。リディお前だけは絶対に許さん。
今回は色替えをテーマに塗料の相性について考えながら制作した。
今まで部分塗装で使ってきたガンダムマーカーエアブラシシステムで今回はボディの塗装もやってみたがコストと時間がかかることがわかった。ぶっちゃけ全塗装はやりたくないという感想だ。やはりちょっとした部分塗装に真価を発揮する。
今回塗装部のスミ入れにタミヤのエナメルを使ったがすべてガンダムマーカーシリーズで完結したい場合は水性タイプのスミ入れペンを選べば大丈夫である。
勇気をだして後ハメ加工にも挑戦してみたがパズルみたいで楽しかった。
やり残したことはせっかくケガキ針を導入したのにモールドの堀り直ししか使わなかったことだ。次回は筋彫りでディティールアップに挑戦したいと思う。
今回は製作日数19日とじっくり楽しむことができた。
それではまたつぎの制作記でお会いしましょう!
機動戦士ガンダムUCについて熱く語った記事も読んでみてね↓
今回制作したキット HGUC 1/144 クシャトリヤ↓