【北海道胆振東部地震】停電で活躍した太陽光発電と8つのアイテム
こんにちは。北海道胆振東部地震で長期停電を経験したK☆太(@makiriri_com)です。
震災で被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。
この地震ではじめて長期停電生活を経験したわけだが断水がなかったのが救いだった。
当時の我が家は幼児2名、乳児1名、お年寄り1名、老犬2匹抱えての大所帯。
いろいろと苦労したり気付きがあったのでこれから先の人生で災害を経験するかもしれない子どもたちのためにも今回の経験を記録することにした。
北海道胆振東部地震発生
2018年9月6日3時7分
北海道胆振中東部を震源とする地震が発生した。
iPhoneからJアラートが鳴り、眠りから覚めたころにはもうかなり揺れていた。
俺氏が住む後志の余市町は震度4。
揺れ方は大きくうねる感じではなく細かい振動が長く続く感じだった。
我が家の被害はというと書斎に飾ってあったブロックとフィギュアが倒れた程度だった。この手のものがなければ被害は限りなくゼロに近かっただろう。
スヌーピーのブロックが足の位置が変わらずに胴体から崩れた所をみると小刻みな揺れで崩壊したと考えられる。
瞬間的な大きな揺れならすべてが吹っ飛んでいたはずだ。
ちなみに元の状態はこのような感じだった。
ほかに目立った被害はなかったが地震発生直後に電波時計がグルグル回り出したのが印象深かった。その時計は場所が悪くて普段は電波を拾わないのに・・・・
まるで地震の衝撃でタイムスリップしたのかと錯覚するほどの異様な感覚だった。
そしてしばらくして全道が停電におちいったブラックアウトにより我が家も例に漏れず停電となる。
急いで車に避難用物資を積載し子どもたちには宝物だけをリュックに詰めさせて避難する準備を整えた。
ほどなくして津波の心配はないことがわかり自宅で様子をみることに。
泊原発では深刻な事態が起こっていた
地震が発生し地滑りや液状化現象などの被害が深刻化する一方で泊原発でも深刻な自体が起こっていた。
道内全域に及んだブラックアウトにより外部電源喪失という危機に陥っていたのである。
運転自体は停止中であるため使用済み核燃料は原子炉から抜かれて燃料プールにて冷却保管されているので安全であると思う人も多い。
しかし電源を失うと燃料プールの冷却ができなくなり炉心溶融(メルトダウン)を起こす可能性があるのだ。厳密にいうと炉心=原子炉ではないので決して安心できないのである。
メルトダウンが起こると大量の放射性物質が拡散されることになるのだ。
幸い非常用ディーゼル発電機(DG)の起動成功で事なきを得たとのことだがかなり際どかったといえよう。次は実際どうなるか分からなく不安が残る。
もっともブラックアウト時、本州の人々がハラハラして見守るなか当の周辺住民は外部電源を喪失した事実すら分かっていなかったのだが。
ただ実際にはやめの避難指示を出すとしたら道路の渋滞や空港、フェリー埠頭の大変な混雑が予想されるので判断は難しいところではある・・・・
通勤リュックをGO BAGに換装!
万が一メルトダウンが起こったときには早急に可能な限り遠くへ避難しなくてはならない。
そうなると避難所はあてにならないのでクルマにはアウトドアグッズを積載していつでもサバイバルができるように準備した。
問題は勤務中に災害が発生したときだ。
家族が先にクルマで避難した場合俺氏1人でサバイバルしなくてはならない。
そこで自宅にあった最低限必要なサバイバルグッズをかき集めリュックに入れて通勤時にも持ち歩くことにした。内容物は軽登山の持ち物にプラスαした感じと思ってもらうとよい。
ちなみにこのような非常持ち出し袋のことをGO BAG(ゴーバッグ)という。
緊急持ち出し袋『GO BAG』の作り方はこちらの記事に詳しく書いたので参考にしてほしい↓
太陽光発電が大活躍
はじめて長期停電を経験して生活のほとんどが電気に依存しているという生活形態、そして電気がないとどれだけ不便なのかをあらためて痛感させられた。
そこで大活躍したのが太陽光発電だった。
我が家は災害を想定して鉄骨構造で建設し太陽光発電を備えている。
我が家のSHARP製の太陽光発電は約10年前のシステム。自立運転できる仕様となっていて自立運転時は専用コンセントのみが使えるようになる。
蓄電池がないため全電源の自立運転置換はできないが冷蔵庫を稼働されられるのは大きい。
曇りのときは発電力は落ちるが冷蔵庫だけなら大丈夫だった。
残ったコンセントはUSB急速充電器をつないでスマホの充電などで大活躍!
役に立ったモノ達
次に役に立った愛すべきモノ達だがキャンプ道具、釣り道具が大活躍してくれた。
釣り具メーカーのクーラーボックス
釣り具メーカーのクーラーボックスは高性能である。
DAIWAのウレタン断熱材モデルが大活躍した。
太陽光発電ができない夜間帯は冷蔵庫の食材をクーラーボックスに移し日が登ればまた冷蔵庫に戻す。この作戦で食材を死守することに成功した。
ちなみに高価なハイエンドモデルである真空パネルとなるとさらに保冷力が増す。
車載充電器
クルマは大きな発電器とはよくいったものだ。
以前から使っていた車載用は急速充電なので通勤往復時に素早くスマホを充電することができた。
USB急速充電器
太陽光発電用コンセントにつなぎスマホを充電できなくて困っている知人達に充電スポットとして解放。5ポートの急速充電器が役に立った。
モバイルバッテリー
モバイルバッテリーは必須アイテム!
オリジナルノベルティグッズ製作でお馴染みのフォーテックス様から提供していただいたパワーバンクが停電時に瀕死だった俺氏のiPhoneのバッテリーをフェニックスさせてくれた。
今後ノベルティグッズは間違いなくモバイルバッテリーがはやるだろう。
購入するなら飛行機に手荷物で持ち込める160Wh(43243mAh)以下のものを買っておくと旅行でも役立つ。
ヘッドライト
釣りで使用しているジェントスのヘッドライト。
暗闇で両手が使えるアドバンテージは計り知れない。赤ちゃんを抱っこしながらなにかするとなるとなおのことだ。
長期停電時、車などの充電環境がない場合は電池式の方が便利。
ジェントスのレビュー記事はこちら↓
充電式LEDランタン
夜間の授乳用に使用していた LEDランタン。防水仕様でモバイルバッテリーにもなる神LEDライトなのだ。
フックとマグネットで固定できるのもグッド。昼間に太陽光発電にて充電しておき夜間に備えた。今回の停電で一番重宝したライトといえよう。
複数メーカーからも同じ物か発売されているのでその時セールになっている物を買うとよい。
ラジオ付きライト
災害時はとにかく情報がほしい。そこでワンセグのない我が家ではラジオが大活躍。
LTEが途絶えて情報から孤立したときは本当に不安を感じたものだ。
昔当たり前だったラジオもクルマには付いているが自宅にないという人も多いのではないだろうか!?
ちなみに勤務先で俺氏のauのLTEが途絶えても同僚のdocomoはまったく無事だった。地域で異なるが余市町では通常時の電波はauの方が強いが災害時はdocomoの方が強かった。
カセットコンロ
いざというたきはやっぱりガス。
CB缶のカセットコンロを使いOD缶のストーブは避難用品に準備した。
災害時といっても赤ちゃんはドライフードを食べることができないので粉ミルクを作るのに必須アイテムとなる。
食中毒対策にも食材にはしっかりと熱を通したいところ。
今回はCB缶のストックが少なくて冷や冷やしたがなんとか乗り切れた。補充せねばならない。
ただブタン100%のノーマルガスは氷点下では気化しないために厳冬期は使えないので注意が必要。冬期にはイソブタンかプロパンが入ったハイパワーガスが必要になる。
FIT終了でこれからの自家発電について考える
生活のほとんどが電気に依存しているという生活形態、そして電気がないとどれだけ不便なのかをあらためて痛感させられた今回の長期停電。
そこで当ブログで紹介してきたいいモノ達が大活躍。田舎で趣味レーション万歳である。嫁氏に文句いわれながらコツコツ集めてきてよかった。
キャンプ用品はもとより釣り用のライフジャケットや自転車のヘルメットなどスポーツ・アウトドア用品は本当に役に立つものが多い。
そして建築時に無理してでも太陽光発電に投資しておいてよかった。10数年の使用経験からこれから家を建てる人にもおすすめしたい。
ただし余剰電力買取制度の固定価格買い取り制度(FIT)が終了したのでこれからはシステムに蓄電器が必須となる。
ガソリン式の発電機はコンパクトで持ち運べ比較的設備投資しやすいが普段まったく出番がないのと騒音と排気ガスの問題もある。その点太陽光発電はクリーンで日常から働いてくれるし設備投資をペイできる。
注意点は前述したとおりFITが終了したので余剰電力買取価格の要確認と地震だけではなく台風にも強い設置方法にすることだ。
売電の自由契約先については経産省のサイトで簡単に調べられる。
それとソーラーパネルが破損してしまった場合は触れると感電する恐れがあるので注意が必要である。
これから先の時代は今にも増して電力依存は加速していくと予想される。子どもたちには今のうちにキャンプなどを通して脱電力依存の術を教えておかなくてはならない。そして自分で家を建てるときになったらその時代に合った自家発電設備を備えてほしいと切に願う。
依然として警戒が必要
以上、停電で活躍した太陽光発電と8つのモノの紹介でした。
街灯も消え普段と見ることのない漆黒の夜空に浮かぶ星々はとても美しかった。
俺氏の住む後志地方の余市町は大きな被害もなかったため物流はすぐに回復しほぼ普段と変わらない生活に戻ることができた。
そしてあらためてウォシュレットの偉大さを噛みしめたのであった。
しかしこれから大きな本震が来て避難しなくてはならないときがくるかもしれないので依然として警戒が必要だ。
海がすぐ側なので津波に備えてライフジャケットとヘルメットも準備した。いくら頑丈な耐震鉄骨住宅とはいえ津波が来てはかなわない。
そもそも主要発電所の直下で地震が起こる世の中だ。なにが起きてもおかしくないよね。
現に今回の停電で泊原発が外部電源喪失し、あわやメルトダウン(炉心溶融)という危機に面した。幸いDG起動に成功して事なきを得たが、これは直接打撃を受けなくても遠くからでも原発を破壊できるということを露呈してしまった。こうなったら地震といわず電気を止めるサイバーテロでもなんでもありだ。
もし泊原発でなにか起きたときは急いで遠くに避難しなくてはならない。これで終わりだとよいのだが・・・・。
災害対策には人により温度差があり大袈裟に災害時に備えると茶化す人にもいる。だが全然恥ずかしいことではない。子どもたちを守らなくてはならないからだ。
子どもたちも大きくなったらこの記事を読んで地震のときの出来事を思い出し各々で災害に備えて大事な人を守ってほしいと思う。そして読者の皆様にも災害対策の参考として役立ててもらえると幸いだ。